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毎日暑い日が続き、しかも雨が降らないので、多くの野菜は人が水を補給してやらないと、水不足に陥り、葉が火傷をしてしまいます。
水の気化熱は532cal/gと、例えばエタノールの93 cal/gと比べても断然大きく、植物は熱い時には根から水をどんどん吸収して、それを葉から気化させることにより、温度が上がるのを抑えて、火傷防止をしているのだが、高温が続くと普段以上の水を必要とするのである。
これは野菜だけの話ではなく、人間も体温コントロールをしっかりしないといけない。涼しいところでじっとしているのが良いのだが、野菜の面倒も見なければならないのでそうもいかない。とにかく熱中症には要注意である。

1)神谷:Cabaret (7:55)
・Chris Woods Plus G. Arvanitas Trio – Chris Meets Paris Meets Chris
・Black Note – BL1008
・Recorded on October 24th 1973 at the Bilboquet in Paris
Bass – Jacky Samson
Drums – Charles Saudrais
Piano – Georges Arvanitas
Saxophone [Alto] – Chris Woods
クリス・ウッズのアルトサックスは、名前が表すようにソニー・クリスとフィル・ウッズを足して2で割ったようである、とマスターが言っていたが、まさにそのようである。
あえて言えば、ソニー・クリスから泣き節を薄めたようだとも言える。演奏としてはぼく好みの演奏であるが、彼がパリで欧州のジャズメンと共演したこのような珍しい盤を持ってくるのはさすがにマスターであると思う。

2)清水:Black Orpheus (4:35)
・Wayne Shorter – Wayning Moments
・Vee Jay Records – SR3029
・Recorded - Chicago 1962
Bass – James Merritt
Drums – Marshall Thompson
Piano – Eddie Higgins
Tenor Saxophone – Wayne Shorter
Trumpet – Freddie Hubbard
ウェイン・ショーターは61年にアート・ブレイキーのジャズメッセンジャーズに参加し、64年にマイルスのグループに参加する。ということで‘62年録音のこのアルバムはジャズメッセンジャーズ時代に録音したものである。
彼の演奏スタイルは随分と変遷が大きいが、ぼくはマイルスの時代までが好きで、その後ウェザリポートとかBNレーベルへの録音については、いまいち掴みどころがないように思えてしまう。

3)大橋:Char's Blues (4:51)
・Wynton Kelly – Someday My Prince Will Come
・VJ International – VJS 3038
・Recorded at Bell Sound Studios, NYC Studio A; September 20-21, 1961
・Originally planned for release as VJ LP 3038 in 1961, but not issued until 1977
Bass – Paul Chambers
Drums – Jimmy Cobb
Piano – Wynton Kelly
大橋さんがWynton KellyのSomeday My Prince Will Comeというアルバムを持ってきました。これは1961年にVee-Jayに録音したアルバムWynton Kelly!と同じ時期の録音で、なぜか16年後に発売されたものです。
この3人はマイルスのリズム隊として活躍したメンバーで、Vee-Jayの録音はKelly GreatとかKelly At Midnightを含めて彼の最高の演奏が聞かれます。

4)神谷:Recado Bossa Nova (8:11)
・Hank Mobley – Dippin'
・Blue Note 4209
・Recorded on June 18, 1965
Bass – Larry Ridley
Drums – Billy Higgins
Piano – Harold Mabern Jr.
Tenor Saxophone – Hank Mobley
Trumpet – Lee Morgan
これは誰も知らない名盤ではなくて、だれでも知っている名盤で、マスターらしからぬ選曲です。夏にふさわしい演奏ということでRecado Bossa Novaを選曲したらこうなったそうです。ハンク・モブレーの代表曲を聞いてください。

5)清水:Cherokee (6:19)
・Don Byas / Bud Powell – A Tribute To Cannonball
・Columbia – JC 35755
・Recorded In Paris, 1961
Bass – Pierre Michelot
Drums – Kenny Clarke
Piano – Bud Powell
Tenor Saxophone – Don Byas
Trumpet – Idrees Sulieman
アメリカではあまり人気の出なかったドン・バイアスが、欧州でこちらに移住したケニー・クラーク、バド・パウエルや現地のジャズメンと録音したアルバムで、バド・パウエルも快調でなかなか良い仕上がりになっています。
アルバム名がA Tribute To Cannonballとなっていますが、実際はキャノンボールが1961年にプロデュースしたものであるが、1979年の発売となっており、その間1975年にキャノンボールも亡くなっており、それでタイトルがTributeとなったのであろう。

6)大橋:Lonely Woman (7:00)
・The Horace Silver Quintet – Song For My Father
・Blue Note – BST 84185
・Recorded on October 31, 1963
Bass – Gene Taylor
Drums – Roy Brooks
Piano – Horace Silver
(Tenor Saxophone – Junior Cook)
(Trumpet – Blue Mitchell)
大橋さんが選んだアルバムは、ホレス・シルバーの代表的アルバムSong For My Fatherであるが、このアルバムに代表される曲はタイトル曲であり、テナーとトランペットの入った演奏である。
だが意表をついてシルバーが作曲したLonely Woman(オーネット・コールマンの作曲ではない)というピアノトリオの演奏を選曲した。しかし時間が無くなり、演奏をバックに最後のおしゃべりをすることになり、結果的にこの演奏が非常に効果的であった。

(記念写真についての注)
大橋さんの持っているアルバム・ジャケットはWynton KellyのSomeday My Prince Will Comeではなく、日本でのみ発売されたWynton Kelly!(邦題:枯葉)Ⅱというアルバムのジャケットである。
ちょうど大橋さんがジャケットを持ってこなかったのと、Someday My Prince Will Comeに収録された曲の大部分がこのアルバムに入っていたので、マスターがこのアルバムを持ってきたのである。
ジャズのLP3万枚(推定)というマスターのレコードコレクションは、やはり凄いと思う。この番組を2年以上続けても、まだまだ紹介しきれていないなと思うのも、このコレクションに支えられている面が大きいと思う。

