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マスターが今回持ってきたAllan Praskin QuartetのEncounterは、Three Blind Miceという日本のレーベルのTBM-7というまだ初期に製作されたアルバムである。 このアルバム入手の動機をマスターに聞くと、Three Blind Miceというレーベルに注目して買ったということである。ぼくは1970年代には、まだこのレーベルに対しては関心がなかった。 というか日本人のジャズ演奏に注目していなかったというのが正直なところか。1970年代はオーディオシステムに対する関心が高く、会社の先輩のTさんが、タンノイの確かRectangular Yorkというスピーカーをラックスの真空管アンプで駆動して、 イムジチの四季の演奏を聞かせてもらって、その響きの豊かさにひどく感動し、やがてぼくがJBL4343を購入する刺激となっていたことを思い出す。

1)神谷;Softly, As In A Morning Sunrise (11:37)
・Allan Praskin Quartet – Encounter
・Three Blind Mice – TBM-7
・Recorded May 6, 1971 at AOI Studio, Tokyo
Alto Saxophone – Allan Praskin
Bass – Yoshio Ikeda
Drums – Motohiko Hino
Guitar – Kiyoshi Sugimoto
「スリー・ブラインド・マイス コンプリート・ディスクガイド ~伝説のジャズ・レーベル~」小川隆夫 (著)、駒草出版が2017年に出版され、Three Blind Miceから発売されたアルバムについて1点1点解説がされている。 その中でこのアルバムについて、「TBMでアルバムを残したアーティストの中でもっとも謎の多い人物がアラン・プラスキンだ。彼は兵役で韓国に駐留し、休暇で2週間東京に滞在していた。このアルバムはそのタイミングで吹き込まれたものだ。 ・・中略・・端的に言うならば、コード進行はあるものの、その中で精いっぱいのフリージャズを演奏するスタイルだ。・・・」というような紹介がされている。マスターでなければ出てこないような選択である。

2)清水;The Peacocks (6:41+2:00)
・The Bill Evans Trio & Stan Getz – But Beautiful
・Milestone Records – MCD-9249-2
・Recorded August 9, 1974 at the Singer Concertzaal by Nederlandse Omroepprogramma Stichting (NDS) Jazz Festival in Laren, Holland (#1, 2, 9, 10)
・Other selections recorded August 16, 1974 at Middelheim in Antwerp, Belgium by Radiodiffusion Belgie in cooperation with BRTN / VAR
Bass – Eddie Gomez
Drums – Marty Morell
Piano – Bill Evans
Tenor Saxophone – Stan Getz (tracks: 1-8)
このアルバムはいろいろと訳ありで、1974年に録音されたにも係わらず、ビル・エヴァンスが発売を差し止め、1980年に彼が亡くなって16年後の1996年にやっと発売されたアルバムである。 どんな訳ありかは放送で確認してもらうとして、準備した曲は1974年8月16日にベルギーで演奏したThe Peacocksという曲である。ここではスタン・ゲッツとビル・エヴァンスがデュオで演奏を展開し、曲の終わりにGetzが“Happy Birthday Bill!”と言っている。 8月16日はBillの誕生日なのだ。次の曲You And The Night And The Musicの演奏の冒頭でGetzがソロでHappy Birthdayを即興演奏している。とまぁ、色々と話題性に富んだ演奏をしている。

3)大橋;Stablemates (6:01)
・Blue Mitchell – Stablemates
・Candid – CCD 97553
・Recorded April 28/29, 1977
Alto Saxophone – Dick Spencer
Bass – John Heard
Drums – Dick Berk
Piano – Victor Feldman
Trumpet – Blue Mitchell
また大橋さんが、なんだ!なんだ!というような知らないアルバムを持ってきた。1977年のCandid の録音のようであるが、ぼくもマスターも知らないのだ。どうやらLPの発売はなく、2006年になってCDが発売されたようである。 大橋さんの音源はCDではなく、2トラ38センチのテープ音源よりダビングしたものだそうです。確かに良い音で鳴っている。

4)神谷;I Can`t Get Started (7:10)
・Joe Pass And Niels-Henning Ørsted Pedersen – Northsea Nights
・Pablo Live – 2308 221
・Recorded at: The Northsea Jazzfestival The Hauge, Holland July 1979
Bass – Niels-Henning Ørsted Pedersen
Guitar – Joe Pass
デュオ好きのマスターが選んだのが、ペデルセンとジョー・パスのデュオ・アルバムである。ペデルセンのギターでも演奏するような軽やかな超絶技巧と、ジョー・パスのギターの音色はよくあっていて、確かに気持ちよく聞こえる。 こういうアルバムを見逃さないマスターはさすがと思う。

などと言っていたら、もう時間ですよ!である。なんと今回は4曲しかかからなかった。何をグダグダと喋っていたのか。思い返してみるとそれぞれの曲にみんな何がしかの思い入れがあり、それを一生懸命話していたようだ。さて、どんな反響が来ることやら!

