ジャズ・オーディオの雑記帳
 by 6041のS
「FMジャズ喫茶Pitch」2019年1月3-4週放送内容(12/17収録)(2019.1.10)

 「FMジャズ喫茶Pitch」の2月放送分を1月に収録するので、それ用の資料を作成しようとExcelを立ち上げたら、起動してもすぐに終了してしまい、ファイルを開けることが出来ません。今まで経験したことのないトラブルなので、あれこれやってみましたが解決できません。そこでネットに何か情報がないか当たってみると、Excelの自動アップデートのファイルのせいでこういう現象が起きることがあると書かれていました。Update for Microsoft Excel 2010 (KB4461627)というファイルだそうです。コントロールパネルを開けて調べてみると、つい最近アップデートされていました。早速このプログラムファイルをコントロールパネルを使って削除したら、めでたく不具合は解消しました。新年早々思いもかけぬことを経験しました。

 

1)神谷:Bebop (6:14)
・Christopher Hollyday – Christopher Hollyday
・Novus – 3055-1-N (release 1989)
・Recording Date: January 25, 1989 - January 26, 1989
  Alto Saxophone – Christopher Hollyday
  Bass – David Williams
  Drums – Billy Higgins
  Piano – Cedar Walton
  Trumpet – Wallace Roney

 Christopher Hollydayは1988年にニューヨークのビレッジヴァンガードに出演し、バップ演奏の上手い新人として注目を浴びたが、その後数枚のアルバムを残して忽然と姿を消した。バークリー音楽院で作曲やアレンジを教えたり、サンディエゴに移って教師をしたりしていたようである。30年たって新しいアルバムを吹きこんだりしている。マスターの持ってきたアルバムは、彼の最初のリーダー録音で颯爽としたアルトの演奏が聴ける。

 

2)清水:From This Moment On (7:37)
・John Jenkins / Kenny Burrell – John Jenkins With Kenny Burrell
・Blue Note – BLP 1573 (release 1957)
・Recorded on August 11, 1957
  Alto Saxophone – John Jenkins
  Bass – Paul Chambers
  Drums – Dannie Richmond
  Guitar – Kenny Burrell
  Piano – Sonny Clark

 ブルーノートの1500番台の有望新人の紹介盤に登場したJohn Jenkinsを取り上げる。この人もアルトサックスを演奏するバップ・プレーヤーであり、チャーリー・パーカーに通じる音色の美しい、歌心のある演奏をする。取り上げたアルバムは彼の初リーダーアルバムである。しかし彼もこの録音の5年後には演奏活動をやめてしまい、消息不明となってしまう。彼のアルトの音色を聞いていると、ジャッキー・マクリーンの演奏を彷彿させる。

 

 

3)大橋:The Thing (5:50)
・Don Cherry – Where Is Brooklyn?
・Blue Note – BST 84311 (release 1969)
・Recorded on November 11, 1966
  Bass – Henry Grimes
  Cornet, Written-By – Don Cherry
  Drums – Edward Blackwell*
  Piccolo Flute – Pharoah Sanders
  Tenor Saxophone – Pharoah Sanders

 大橋さんがエッと思わせるアルバムを持ってきた。ドン・チェリーがファラオ・サンダースと共演したアルバムである。二人ともフリーキーなトーンでエモーションを強く主張する演奏家で(前衛的な演奏)、どちらかと言えば美しいトーンを好む人だと、ぼくがイメージしている大橋さんとは別の顔である。

 

4)神谷:Akirfa (9:21)
・Horace Tapscott – In New York
・Interplay Records – IP-7724 (release 1979)
・Recorded January 5, 1979 at RPM Sound Studio, NYC
  Bass – Art Davis
  Drums – Roy Haynes
  Piano – Horace Tapscott

 マスターがHorace Tapscottという、日本ではあまり知られていないピアノ・プレーヤーのアルバムを持ってきた。これは日本人のプロヂューサーが録音したもので、Tapscottの硬質なピアノプレイと、Roy Haynesの熱いドラムの組み合わせは聞きどころも多い。

 

5)清水:Blues 1 & 8 (7:06)
・The Brother Jack McDuff Quartet – Brother Jack At The Jazz Workshop Live!
・Prestige – 7286 (release 1963)
・Recorded: October 3, 1963, The Jazz Workshop, San Francisco, California
  Drums – Joe Dukes
  Guitar – George Benson
  Organ – Jack McDuff
  
  

 今回も先回に続き、コテコテのアルバムを1枚持ってきた。Jack McDuffのオルガンジャズである。ブルーノートがジミー・スミスのオルガンジャズで売り上げを伸ばしたのを見て、Prestige がJack McDuffを売り出したのである。この人はかなりコテコテの演奏をする。また若きギタリストのGeorge Bensonの颯爽としたプレイも楽しめる。家ではあまりこういった演奏をかけないが、紹介するのも一考かと思い持ってきた。

 

 

 日本製作のジャズのアルバムではほとんどお目にかからないが、アメリカ製のアルバムでは考えられないような製造上のミスが生じたアルバムが売られている。レーベルに書かれた曲目より、実際の収録曲が1曲少ない。ジャケットの写真が裏焼きされている。ジャケットの表と裏が逆に貼られている。などなどで、たいていの人は希少盤として面白がって持っている。しかし今回ぼくが手に入れたものはそうも言っておれないものである。あるテナー奏者のカルテット演奏のアルバムということで、ジャケットもレーベルも一致しているのであるが、演奏をかけてみると全く別物である。ピアノもテナーもクレジットされている人の演奏ではないし、曲も違う。しかもトランペットまでが参加して演奏している。ジャズは意外性を含んだ音楽というが、ここまでの意外性を含んでいるのかと。それにしても、当時のアメリカという国は大らかな国であったのだろう。




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