ジャズ・オーディオの雑記帳
 by 6041のS
「FMジャズ喫茶Pitch」2019年4月3-4週放送内容(3/18収録)(2019.4.10)

 3月から4月というのは、野菜農家にとっては春夏野菜のは種の時期である。それぞれの野菜には発芽適温というのがあって、例えば日本ホウレンソウでは15~20℃となっている。この温度では、は種後3~5日位で発芽してくる。ホウレンソウの最低発芽温度は4℃でありこの時には発芽までに21日以上かかることもある。ところがスイカの発芽適温は25~30℃であり、最低発芽温度は17℃である。この温度条件であれば3~14日程度で発芽する。ところが温度が17℃を切るとまったく発芽しない。したがってスイカのは種は5月であれば、だれがは種しても失敗しないが、3月ではプロが工夫しては種しないとまず発芽しない。こういった特性はそれぞれの野菜すべてが特徴を持っており、それを踏まえないとうまくいかない。

 

1)神谷:Dakar (7:07)
・John Coltrane – Dakar
・Prestige – PRLP 7280 (release 1963)
・Recorded in Hackensack, NJ; April 20, 1957
  Baritone Saxophone – Cecil Payne, Pepper Adams
  Bass – Doug Watkins
  Drums – Art Taylor
  Piano – Mal Waldron
  Tenor Saxophone – John Coltrane
  

 マスターが持ってきたコルトレーン名義のアルバムは少し変わっていて、1957年に録音された時はリーダーなしで、Cecil PayneとPepper Adamsのバリトンサックスをウリにしたアルバムであったがあまりぱっとしなかったのか、1963年にコルトレーン名義のアルバムとして再発売されたものである。当時のコルトレーンはマイルスのPrestigeにおけるママラソンセッションに参加し、人気の出たころでこれにあやかったのであろう。バリトンサックスに挟まれたコルトレーンのテナーが軽やかに聞こえるから不思議である。

 

2)清水:Will You Still Be Mine? (5:20)
・The Dave Brubeck Quartet – Angel Eyes
・Columbia – CS 9148 (release 1965)
・Recorded July 2, 1962 (A-3, B-1, B-4) - February 15, 1965
  Alto Saxophone – Paul Desmond
  Bass – Eugene Wright
  Drums – Joe Morello
  Piano – Dave Brubeck
  

 このジャケットの女性は、アルバムタイトルAngel Eyesをイメージしているのであろうか。CDと違いLPの大きなジャケットではグッと迫ってくるものがあり、ジャケ買いしたくなる。このブルーベックのアルバムはマット・デニスの作曲した曲を取り上げた特集となっており、ポール・デスモンドの良く歌うアルトサックスと小気味よくリズムを刻むジョー・モレロのドラミングが何といっても心地よい。

 

 

3)大橋:Plant Some Flowers (4:28)
・Friedrich Gulda – Ineffable: The Unique Jazz Piano Of Friedrich Gulda
・Columbia – CS 914(release 1965)
  Bass – Bob Cranshaw
  Drums – Albert Heath
  Piano – Friedrich Gulda
  

 前回のブログの予告通り大橋さんがグルダのアルバムを持ってきた。グルダのジャズ演奏としては、ピアノを主体としたコンボ演奏とビッグ・バンドにおけるピアノと同時にバリトンサックスなどを演奏したアルバムを残しているが、ここではピアノ・トリオでの演奏である。ピアノをしっとりと聞かせるという意味では、さすがグルダという上手さを感じさせる。ジャズのスイング感は少し独特である。

 

4)神谷:Strange Fruit (3:18)+Yesterdays (3:27)
・Billie Holiday – Billie Holiday
・Commodore – FL 30,008 (release 1959)
・Original recordings 1939
  

 若きビリー・ホリデイのSPで発売されたコモドア音源のLP化されたアルバムである。今ではビリーの代表的な歌唱曲であるStrange Fruitの最初のレコーディングとして大変価値のあるものである。この黒人差別へのプロテストソングは、当時所属していたコロンビアレコードが録音をためらい、コモドアアという地方レーベルが録音したものである。もうすこし気楽に聞けるYesterdaysと併せてお聞きください。

 

5)清水:Take The "A" Train (3:34)
・Charlie Mingus – Pre-Bird
・Mercury – SR 60627 (release 1961)
・Recorded May 24, 1960 were tracks A4, B2 & B3, Recorded May 25 1960 were tracks A1, A2, A3, A5, & B1
  Alto Saxophone – Eric Dolphy
  Bass – Charles Mingus
  Drums – Dannie Richmond
  Piano – Paul Bley
  Tenor Saxophone –Booker Ervin, Joe Farrell, Yusef Lateef
  

 Charlie Mingusという人は、Duke Ellingtonのスタイルで演奏することを目指した人で、ここではズバリエリントンのTake The "A" Trainを演奏している。錚々たるメンバーによる若きミンガスの溌剌としたエリントンナンバーを聞いてもらいたいと思います。

 

 1年の中で春という季節は、花が咲いて世の中がパッと明るくなると同時に、人恋しくなったり、厳しい受験に耐えて入学したものの、大学で目標を見出せずに無力感に襲われたりと、良いことばかりでなく、なかなか難しい季節である。
 しかし冷静になって後から振り返ると、そんなに深刻に考えることはなかったと思えることが多いのではないか。すべてのいやなことは忘れ去り、ジャズの演奏に耳を傾けて没頭するのも良いのではないかと思う。




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