ジャズ・オーディオの雑記帳
 by 6041のS
「FMジャズ喫茶Pitch」2019年5月1-2週放送内容(4/15収録)(2019.4.22)

 この収録の最初の放送予定日は5月4日(土)であり、令和元年になっての最初の「FMジャズ喫茶Pitch」の放送となります。と、まぁ言ってみました。たまたまですが、改元をきっかけに今までの放送内容を振り返ってみました。5月までの2年半になる放送でとりあげた曲目は340曲になります。この中でリーダーとして一番多く取り上げたジャズマンは、Miles Davisで11回になります。二番目はArt Blakeyで10回、3番目はSonny Rollinsで8回。4番目はEric Dolphy、John Coltrane、Theronious Monkで7回。5番目はBill Evans、Stan Getzで6回。6番目はCharlie Parker、Clifford Brownで5回取り上げています。逆に1回しか取り上げていないジャズマンが144人います。まぁ、それだけのことですが。

 

1)神谷:Donna Lee - Take 1-2 (5:29)
・Charlie Parker – Charlie Parker On Savoy Vol.2
・CBS/Sony – SOPU-22-SY
・Recorded 1945-1947
  Charlie Parker (alto sax)
  Miles Davis, Dizzy Gillespie (trumpet)
  Bud Powell (piano)
  Tommy Potter, Curley Russell (bass)
  Max Roach (drums)
  

 今までにDonna Leeという曲はこの放送で4回取り上げられました。マスターが3回で、Anthony Blaxton、森剣治、渡辺貞夫です。そして僕が1回、Clifford Brownです。この曲はCharlie ParkerがIndianaという曲のコード進行を基に作曲し、そして演奏する彼の十八番の一つです。今日はその本家の演奏をTake 1、2と続けてかけて、彼のアドリブの素晴らしさを堪能するというのが狙いです。

 

2)大橋:All The Things You Are (2:51)
・Dizzy Gillespie Sextet – All The Things You Are / Dizzy Atmosphere
・Musicraft – 488 (release 1945) (Shellac, 10", 78 RPM)
・Recorded in New York, February-March, 1945
  Alto Saxophone – Charlie Parker
  Bass – Slam Stewart
  Drums – Cozy Cole
  Guitar – Remo Palmieri
  Piano – Clyde Hart
  Trumpet – Dizzy Gillespie
     

 偶然でしょうが、大橋さんがCharlie Parkerの大変珍しい曲を持ってきました。All The Things You Areという曲で、これは1945年にDizzy Gillespie Sextetという名義でSP盤で発売されたもので、SavoyのCharlie Parker全集のLPにも収録されたことはなく、これがCD化された時に加わったという代物です。こんなマニアックな曲をどうして発見したのか聞いてみると、大橋さんが利用している有料の音源サイトで、Parkerの曲としてもっともよく聞かれているようです。

 

3)清水:Jitterbag Waltz (6:31)
・Barney Wilen Quintet – Passione
・Venus Records – TKJV-19011 (release 1996)
・Recorded At Acoustic Studios In Paris On Julye 12, 13, 14, 15, 1995
  Bass – Gilles Naturel
  Drums – Philippe Soirat
  Piano – Alain Jean-Marie
  Alto Saxophone, Soprano Saxophone, Tenor Saxophone – Barney Wilen
  Trumpet – Enrico Rava
  

 1950年代から60年代のバルネは、アート・ブレイキーやマイルス・デイヴィスと共演して作品を残しているが、日本ではあまり知られていなかった。それが1980年代にフランスのIDAよりFrench Ballads、La Note Bleue、Wild Dogs Of The Ruwenzoriなどという作品が発表されると、日本でもよく知られるようになった。そして1990年代に日本のAlfa Jazz やVenus Recordsが録音するようになりより身近になった。今回はVenus RecordsのPassioneというアルバムよりJitterbag Waltzという曲を取り上げる。

 

4)神谷: It Don't Mean A Thing (3:51)
・Louis Armstrong & Duke Ellington – The Great Reunion
・Roulette – R 52103 (release 1963)
・Recorded in New York, April 3rd & 4th 1961
  Accompanied By – The Louis Armstrong All Stars Plus Duke Ellington

 このアルバムはルイ・アームストロング・オールスターズにデューク・エリントンが加わったので、エリントンのピアノ演奏は少し控えめで、アームストロングのトランペットが光るが、演奏全体の雰囲気はしっかりとエリントンサウンドになっている。さすがエリントンというアルバムである。

 

5)大橋:There Will Never Be Another You (3:24)
・Lester Young With The Oscar Peterson Trio – The President Plays With The Oscar Peterson Trio
・Norgran Records – MG N-1054 (release 1956)
・Recorded in New York City on November 28, 1952
  Bass – Ray Brown
  Drums – J.C. Heard
  Guitar – Barney Kessel
  Piano – Oscar Peterson
  Tenor Saxophone – Lester Young
  

 大橋さんがAll The Things You Areと同じ理由で選曲したのが、Lester YoungのThere Will Never Be Another Youです。これはレスターがOscar Peterson Trioをバックに演奏したもので、不思議なことにピーターソン・トリオがバックにまわった演奏はどれもこれも名盤と言われ、これもその一つです。

 

6)清水:Blues In The Night (8:20)
・New York Trio – Blues In The Night
・Venus Records – TKJV-19100 (release 2002)
・Recorded at "The Studio" in New York on June 7 and 8, 2001
  Bass – Jay Leonhart
  Drums – Bill Stewart
  Piano – Bill Charlap
  

 PianoのBill CharlapはVenus RecordsにBill Charlap Trio(Peter Washington(b)、Kenny Washington(d))名で1999年に1枚だけ録音し、それ以降はNew York Trio(Jay Leonhart(b)、Bill Stewart(d))名で2001年から2010年までに10枚の録音を残している。これはNew York Trio名で最初に録音したもので、ビル・チャーラップのリリカルなピアノ演奏と共に、ヴィーナスの分厚い低音の録音が話題を呼んだものだ。

 

 今回から放送終了後のスナップ写真の撮り方を変えてみました。今まで毎回使用したLPをかざしながら立ち姿で撮っていましたが、それが米国で犯罪者の犯人が逮捕された時に写されるマグショットのようで、持っているLPがマグショットボードを連想すると言って面白がっていた人がいるようです。
 確かに従来写真ではそのような連想も可能なようで、本来は収録が終了してホッとしているのですが、これでは緊張感が増してしまうような写真です。リラックスしている様子がより鮮明になるように撮ってみました。
 マスターに情報をお寄せ下さった方にはお礼を申し上げます。




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