ジャズ・オーディオの雑記帳
 by 6041のS
アルヒーフのバッハ大全集(2019.9.1)

 月に1回「FMジャズ喫茶Pitch」の収録が、かれこれ3年間も続き、毎月ジャズの演奏をチェックすることが多くなった。それは嬉しいことであるが、反面クラシックの音楽を聞く機会が減ってしまった。そこで手持ちのクラシックのLPの中よりテーマを決めて紹介する資料を作り始めた。



 パワーポイントを使って、テーマに沿ってLPのアルバムを絵入りで紹介できるようにしたものである。イメージ的には右図のような感じである。コツコツとやり出してすでに70テーマ位作成した。これをやり出すと、アルバムを選定するためにクラシックの音楽を聞かなくてはならない。それでジャズとは別にクラシックを聞く時間が出来、頭の中も切り替わる。
 そこで今まで足が遠のいていたクラシックの中古LP探しを始めた。クラシックの中古LPはジャズに比べて大変安く、しかもBoxセットのようなものも多い。ありました、ありました!若きグルダがDECCAに録音したベートーヴェンのピアノソナタ全集です。LP10枚のBoxセットでわずか0.1kです。少し聞いてみました、グルダらしい自由闊達な演奏だと感じました。こういったことに味を占めて、さらに別の中古店を覘いてみました。ぼくにとっての思わぬ幸運は重なるもので、そこにはARCHIVのバッハ大全集(全11巻)で、全部でLP100枚というシリーズで売り出されたBoxセットの8巻分が売りに出ていました。一つのBoxが0.3kです。迷うことなく8巻分を手に入れました。LP69枚で、内容は以下通りです。
  第1巻 受難曲(7枚組)
  第2巻 ミサ曲、モテット、歌曲(8枚組)
  第3巻 クリスマス・オラトリオ、マニフィカト、カンタータ(11枚組)
  第5巻 協奏曲(11枚組)
  第6巻 室内楽<1>(7枚組)
  第7巻 室内楽<2>(7枚組)
  第8巻 オルガン作品<1>(8枚組)
  第10巻 チェンバロ作品<1>(10枚組)
第4巻(カンタータ)、第9巻(オルガン作品<2>)、第11巻(チェンバロ作品<2>)は欠けです。
 バッハの音楽について、とっかかりはオーディオ的関心からオルガン曲を聞き始め、カール・リヒターの演奏する管弦楽曲、協奏曲を聞き、さらに無伴奏のヴァイオリン曲、チェロ曲などに関心が移り、グレン・グールドを介してピアノ曲(チェンバロ曲)を聞き、さらにマタイ受難曲、カンカータなどの声楽曲にまで関心が広がり、いまだに新しい楽曲を聞いています。というわけでバッハの曲のかなりのLPが手元にありますが、またこうしてARCHIV(ドイツグラモフォン)のバッハ全集が手に入ると、いまだ聞いていないような曲もかなり収録されています。少しずつ時間を見つけて聞いてゆきたいと思います。
 それにしても、幸運を招くには“棚から牡丹餅”式にはめったにやってこず、“犬も歩けば棒に当たる”という気持ちで、物事に関心を持って行動することが大切なようです。

 

 

 

「FMジャズ喫茶Pitch」2019年9月3-4週放送内容(8.19収録)(2019.9.7)

 冬の代表的野菜にハクサイがあります。ハクサイはこの地方では8月の20日前後に種まきをして、直植えでない場合は9月上旬には植え付けます。というのも、寒くなる前に本葉が20枚程度確保されていないと結球しないからです。ということでハクサイを育てるには植え付け時期が大変重要です。自分の都合ではなく、ハクサイの都合に合わせて作業する必要があるからです。そんなのは当たり前だろうと思いますが、これがハクサイのことでなく、相手が人間だと、思いやりが必要なようです。人は夫々ですが、相手が自分と同じようでないとイライラしがちです。この番組がリスナーの皆さんを和ませることが出来ると良いと思っています。

 

1)神谷:Status Seeking (11:30)
・Eric Dolphy – Here And There
・Prestige – PR 7382 (release 1966)
・A1, A2 recorded on July 16, 1961 at the Five Spot, New York City, B1 recorded on April 1, 1960 at Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, B2 recorded on September 6, 1961 in Berlingske Has, Copenhagen
  Alto Saxophone – Eric Dolphy
  Bass – Richard Davis
  Drums – Ed Blackwell
  Piano – Mal Waldron
  Trumpet – Booker Little

 ドルフィーの演奏するStatus Seekingという曲は、マスターのfavoriteというか、マスターに寄り添うような曲のようです。少し長いですが、皆さんじっくりと聞いてみてください。それにしてもこの曲は、Five Spotのライブで演奏されたもので、そのライブ盤には取り上げられずに、このHere And Thereという彼方・此方からの演奏の寄せ集めと思わせるようなアルバムに入っているのは不思議です。ドルフィーの演奏はどれもそれだけレベルが高いということかもしれません。

 

2)清水:Donna Lee (6:35)
・Pete Christlieb / Warne Marsh – Apogee
・Warner Bros. Records – BSK 3236 (release 1978),
  Bass – Jim Hughart
  Drums – Nick Ceroli
  Piano – Lou Levy
  Tenor Saxophone – Pete Christlieb, Warne Marsh

 このアルバムはピート・クリストリーブがリーダーとなって人選を行い、ウォーン・マーシュとの2テナーで演奏している。このドナリーという曲では、二人が右と左のスピーカーに分かれて掛け合いで演奏している部分があるので、二人の音の違いとか、双方の違いが良く分かると思う。

 

3)大橋:Arietis (6:41)
・Freddie Hubbard – Ready For Freddie
・Blue Note – BLP 4085 (release 1962)
・Recorded on August 21, 1961
  Bass – Art Davis
  Drums – Elvin Jones
  Euphonium – Bernard McKinney
  Piano – McCoy Tyner
  Tenor Saxophone – Wayne Shorter
  Trumpet – Freddie Hubbard

 ブルーノートの4000番台という、モダンジャズのもっとも活気を呈していた時期の演奏であり、さすがブルーノートと思わせる熱気が溢れている。ただぼくの個人的な希望を言えば、ブルーノートの音はこのような清々しい音ではなく、もっとアーシーな音で再生したほうが好きである。

 

4)神谷:Comme A La Radio (8:08)
・Brigitte Fontaine, Areski Avec Art Ensemble Of Chicago – Comme À La Radio
・Saravah – SH 10006 (release 1969),
  Bass – M. Favors
  Flute – R. Mitchel
  Oboe – J. Jarman
  Percussion – Areski
  Trumpet – L. Smith

 マスターは色々なものを出してくるなと、ただ感心するのみである。ヴォーカルの苦手なぼくとしてはコメントのしようがない。

 

5)清水:Honeysuckle Rose (5:10)
・Paul Quinichette – The Kid From Denver
・Dawn – DLP-1109 (release 1956)
・Recorded on July 16, 1956
  Baritone Saxophone – Bill Graham
  Bass – Eddie Jones
  Drums – Sonny Payne
  Guitar – Freddie Green
  Piano – Nat Pierce
  Tenor Saxophone – Paul Quinichette
  Trombone – Henry Coker
  Trumpet – Joe Newman, Renauld Jones, Thad Jones

 このポール・クニシェットという人はカウント・ベイシー楽団に在籍した時に、バイス・プレジデントとあだ名され、レスター・ヤングとよく似た雰囲気のテナーを演奏する人である。この演奏のメンバーも、ピアノのナット・ピアースを除けば、全員ベイシー楽団の在籍経験者である。

 

 ジャズの好きな女性で、ジャズ喫茶グッド・ベイトのお客さんとしてベイトでお会いし、お話をするようになったIさんという女性が、大橋さんが選曲したFreddie Hubbard ‎のArietisの演奏を収録しているタイミングで、Pitchのスタジオに顔を出された。FMジャズ喫茶Pitchを毎回聞いていただいているファンで、一度収録風景を見てみたいと思っていたそうで、今日仕事帰りに寄っていただいたようである。せっかくなので、番組を盛り上げていただこうとスタジオに入っていただいて、番組の途中からコメントをしていただきました。
 ということで収録後の恒例スナップショットが、男3人ではなく紅一点が加わって、いつもより華やいでいます。Iさん、ありがとうございました。またぜひ応援に来てください。




ページトップへ