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マスターとぼくがジャズに関するアルバムをどのくらい持っているか正確にはカウントしていないが、マスターがLPで3万枚以上持っているのではないか、そしてぼくはLPで3千枚くらいとCDとWAVデータを合わせて3千枚の合計で6千枚くらいかなと思っている。ぼくはその中から毎月5枚のアルバムを選定してFMジャズ喫茶Pitchの収録に臨んでいる。4年目となる最近はLPだけの範囲から選定枠を広げて、CDとWAVデータも含めたアルバム選定となる。さらに、アルバムを選定するのに2日くらいかかってしまう。選定が終わるとLP1枚につき右図のようなデータベースを作って、5枚分をA4用紙1枚にまとめている。CDもしくはWAVデータからアルバムを選んだときは、その紙を持ってマスターの所に行ってLPを持っていないか確認してあれば借りることにしている。併せてマスターの選定分についてもデータベースをぼくが作っているので、何を選定するか確認する。マスターは今から選ぶわ!と言ってレコード棚に向かい、15分くらい経つとLPを5枚選んで持ってくる。今回の収録分もそうである。3万枚のデータベースと6千枚のデータベースの差は歴然である。凄いと思う!!そう考えると、ジャズ初心者と言いながらしっかりと選定している大橋さんも凄いと思う

1)大橋:Basie - Straight Ahead (3:53)
・Basie – Straight Ahead
・Dot Records – DLP 25902 (release 1968)
・Recorded September 1968
Bass – Norman Keenan
Drums – Harold Jones
Guitar – Freddie Green
Piano – Count Basie
Saxophone – Charles Fowlkes, Eddie "Lockjaw" Davis, Marshall Royal
Saxophone, Flute – Bobby Plater, Eric Dixon
Trombone – Bill Hughes, Grover Mitchell, Richard Boone, Steve Galloway
Trumpet – Al Aarons, Gene Goe, Oscar Brashear, George Cohn
Composed By, Arranged By, Conductor – Sammy Nestico
大橋さんがアルバムと曲目だけを紹介して、曲をかけてしまった。カウント・ベイシーの演奏は、ぼくは大好きである。実はこのStraight Aheadというアルバムのオリジナル盤を、グッド・ベイトで誰かが売りに出していた。やはりこれはぼくが買おうと思って入手した。大橋さんがこのアルバムを使うと言うので、さっそくぼくが持ってきた。日本盤と比較すると管楽器の音の分離が大変良く、一音一音がクリヤーに聞こえる。サミー・ネスティコがアレンジしたこのアルバムは、アマチュアバンドの聖典のような演奏である。

2)神谷:Heritage Hum (7:45)
・Jimmy Heath – The Gap Sealer
・Cobblestone – CST 9012 (release 1972)
・Recorded March 1, 1972
Bass – Bob Cranshaw
Drums – Al "Tootie" Heath
Flute – Jimmy Heath
Percussion – Mtume
Piano – Kenny Barron
Soprano Saxophone, Tenor Saxophone – Jimmy Heath
この収録日(1/21)の直前にヒース3兄弟の次男で、リトル・バードの愛称で知られたサックス奏者ジミー・ヒースが2019年1月19日ジョージア州ローガンヴィルにて死去した。それを悼んでマスターが急遽予定を変更して、彼のホットな演奏を収めたThe Gap Sealerを持ってきた。こういうことに機敏なのはさすがマスターである。ヒース三兄弟とは、Percy Heath(b)、Jimmy Heath(ts、ss、fl)、Albert Heath(ds)である。放送で聞かれた時は三男のアルバート・ヒースの名前が浮かばなかった。

3)清水:Japanese Folk Song(Kojo No Tsuki) (10:55)
・Monk – Straight, No Chaser
・Columbia – CS 9451 (release 1967)
・Recorded 1966 and 1967
Bass – Larry Gales
Drums – Ben Riley
Piano – Thelonious Monk
Tenor Saxophone – Charlie Rouse
セロニアス・モンクは1963年、66年、70年、71年と4回来日しているが、66年5月の来日の際に「荒城の月」のメロディーが入ったオルゴールをお土産にもらい、曲が気に入って帰国の機内で熱心に聞いていたそうです。それを基にこのStraight, No Chaserというアルバムの中にJapanese Folk Song(Kojo No Tsuki)というタイトルで演奏しています。ぼくはこの演奏におけるチャーリ・ラウズのテナーのソロもモンクのピアノソロも、どちらも大好きで気に入っています。なおこの曲はCDでは16:42分の長さですが、LPでは10:55分に短縮して収録されています。こういうことをやるのはColumbiaのプロデューサーのTeo Maceroらしいですね。16:42分聴いてもMonkの演奏がダレルことはありません。

4)神谷:Save It, Pretty Mama (3:20)
・The Earl Hines Trio – Here Comes Earl "Fatha" Hines
・Contact – CS-6 (release 1966)
・Recorded Jan 17, 1966
Bass – Richard Davis
Drums – Elvin Jones
Piano – Earl Hines
「なんという貫禄、なんという豪快なスイング!ジャズ・ピアノの父、ここにあり」このキャッチフレーズは原田和典さんがアール・ハインズを称えて書いたものである。しかし一般的にはこのキャッチフレーズほどには、彼のアルバムは聞かれていないのではないかと思う。アール・ハインズのピアノスタイルはブギウギから始まってバップまで多彩であり、バド・パウエルにも影響を与えたと言われている。マスターの選んだこのアルバムは、ベースにリチャード・デイヴィス、ドラムにエルヴィン・ジョーンズと若きモダン演奏者をバックにバップスタイルで切れの良い演奏をしており、彼の後期を代表するアルバムである。

5)清水:How About You (9:15)
・Bud Shank – Live At The Haig
・Concept Records – CONCEPT VL2 (release 1985)
・Recorded live IN STEREO at the Haig, Los Angeles, 1956
Alto Saxophone, Flute – Bud Shank
Bass – Don Prell
Drums – Chuck Flores
Piano – Claude Williamson
バド・シャンクのもっともよく知られたアルバムは、Bud Shank Quartetであろう。このアルバムも同じ1956年に製作されたもので、彼の全盛期のスピード感のある軽やかなアルトが素晴らしい。

今回の放送ではっきりしたが、大橋さんが1曲自分の好きな曲をかけたら、あとは我々二人の選曲を中心に番組を進めるというようである。これについて説明もなかったので、先月の大橋さんの選曲が最後であったことを失念し、順番を間違えてブログに書いた(いいわけ)。
今回は3人とも愉快に笑っているが、なぜかと言うと、誰かぼくのブログを読んだらしく、ぼくを笑わせようとして、笑うまでシャッターを押さずに待っていたからである。だから笑っているが、何が面白くて笑っているのか分らず仕舞いである。
「追記」ヒース三兄弟についての簡単なデータ | ||||
名前 | 誕生日 | 演奏楽器 | 死亡日 | 年齢 |
Percy Heath | 1923.4.30 | Bass | 2005.4.28 | 81 |
Jimmy Heath | 1926.10.25 | Tenor・Soprano Sax, Flute | 2019.1.19 | 93 |
Albert Heath | 1935.5.31 | Drums | 84 |

