ジャズ・オーディオの雑記帳
 by 6041のS
スタン・ゲッツの演奏するバラード曲(2020.4.1)

 大橋さんからFM番組「FMジャズ喫茶Pitch」の放送が始まってしばらくして、放送で使用するジャズのアルバムについてブログで紹介しませんかという提案を受け、毎月2回定期的に紹介することが、先月まで2年と8カ月続きました。一つのテーマが終了してしまったので、これからどうしようかと思っていますが、暫くはまだ余熱が残っているのでジャズの話をしようかと思っています。

FMジャズ喫茶Pitchの最終回で、スタン・ゲッツの曲紹介を次のようにしました。 「スタン・ゲッツのバラード演奏における、メロディーラインの美しさときりっとした緊張感は、だれにもまねの出来ない独特の素晴らしいものだと思っている。代表的な演奏としてアルバムStan Getz & Bob Brookmeyer Recorded Fall 1961におけるA Nightingale Sang In Berkeley Squareとか、アルバムStan Getz In Paris Live(1966)におけるWhen The World Was Young、さらにRoyal RoostのThe Getz Age(1950-1952)におけるAutumn Leavesなどが挙げられる。ここではそれと同列の美しいバラード、The Folks Who Live On The Hillを聞いてください」と言って、The Folks Who Live On The Hillを聞いていただきました。今回はそれ以外の曲について紹介したいと思います。

 

1)A Nightingale Sang In Berkeley Square 6:12
・Stan Getz & Bob Brookmeyer Recorded Fall 1961
・Verve Records – V6-8418 (release 1961)
・Recorded Sept. 12 & 13, 1961 in New York City
  Bass – John Neves
  Drums – Roy Haynes
  Piano – Steve Kuhn
  Tenor Saxophone – Stan Getz
  Valve Trombone – Bob Brookmeyer

 和名“バークリー広場のナイチンゲール”という曲はThis Is Anitaというアルバムで聞いたのが最初であった。アニタが優しく語りかけるように歌っているのを聞いて、もう一回聞きなおしたものであった。スタン・ゲッツの演奏もアニタの歌っているイメージと同じような演奏で、美しい歌となっている。共演しているボブ・ブルックマイヤーのトロンボーンの音色が、ゲッツに寄り添うようで好ましい雰囲気を保っている。

 

2)When The World Was Young 5:56
・Stan Getz – In Paris Live
・Verve Records – 711 064 Germany (release 1967)
・Recorded November 13, 1966 in Paris
  Bass – Steve Swallow
  Drums – Roy Haynes
  Tenor Saxophone – Stan Getz
  Vibraphone – Gary Burton

 Anita O'Day & The Three SoundsというアルバムのA面1曲目に入っているのがWhen The World Was Youngという曲で、ぼくがまだ学生の頃、先輩に連れられて名古屋のとあるジャズ喫茶に行ったときにかかっていたレコードであった。一時は歌詞も覚えてメロディーを口ずさんでいたことも有った。原曲がシャンソンということで、ゲッツがパリ公演をしたときにこの演奏を取り上げたのであろうか。暗くなってから静かに集中して聞くとゲッツの凄さが分かってくる。

 

3)Autumn Leaves 2:58
・Stan Getz – The Getz Age
・Royal Roost – LP-2258 (release 1964)
・50年から52年の録音を集めた米Roostからのアルバム
  Bass – Bill Crow
  Drums – Frank Isola
  Piano –Duke Jordan
  Tenor Saxophone – Stan Getz

 枯葉という曲は多くのジャズメンが演奏しており、同一テーマをそれぞれがどう表現するか比較するのに便利な曲である。ゲッツの場合若いころの3分台の演奏と1980年代の7分を超える演奏を比べると、ぼくは若いころの演奏が好きである。ここでのゲッツの歌心が凝縮した3分の演奏をお届けします。

 

4)The Folks Who Live On The Hill 4:40
・Stan Getz – In Poland
・Norma – NLP2010 Japan (release 1993)
・Recorded Warsaw, 31. 10. 1960
  Bass – Roman Dyląg
  Drums – Andrzej Dąbrowski
  Piano – Andrzej Trzaskowski
  Tenor Saxophone – Stan Getz

 おまけですが、3月下旬のFMジャズ喫茶Pitchでお届けしたアルバムAt LargeでのThe Folks Who Live On The Hillとは別にIn Polandに収録された演奏を紹介します。とても澄んだ音での録音が独特で、At Largeとはまた違った印象の演奏を体験できます

 

 スタン・ゲッツのバラード演奏を楽しめるのではないかと思うアルバムを紹介してみました。放送のように実際の演奏を紹介できないのは残念ですが、興味のある方はLPとかCDとか時にはYou-Tubeなども利用して演奏を聞いてみてください。




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