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FMジャズ喫茶Pitchの関連で、頭の隅に残っていたJazzの話題いついて、ここ3回くらい書いておいたので、ジャズの話については1段落させて野菜の話をします。現在世の中は新型コロナの影響で不要不急の外出をするなとか、3密を避けるようにとか、生活のスタイルの見直しに迫られています。
そのせいとも思われませんが、ここ2カ月くらい空腹になると胃がむかむかするようになりました。
こういうことは過去にも何回か経験していて、軽ければ胃炎、重症であれば十二指腸潰瘍の可能性があります。6年くらい前にピロリ菌退治に成功しているので、胃潰瘍の可能性は低いと思います。
そこでこういう時のかかりつけの胃腸病院に行って症状を伝え、胃酸をおさえる薬と潰瘍の治療薬を処方してもらうと同時に、胃カメラの検査を実施しました。検査の結果ですが、今までであればこういう時は軽くても胃炎の症状が観察されていたのに、今回の結果は、胃は非常にきれいで何ともありませんと言われました。最近は胃のむかつきの症状を訴える人の半分はこういう人たちです、と説明されました。でも不思議なことに、処方された薬を服用したらむかつきがおさまったのです。先生と話し合いの結果、基本的にぼくの胃は健康であるが、薬をもう少し続けて様子を見ることにしました。
自分としては、胃のむかつきの自覚症状はあるのに、胃は健康である、という結論で、病は気からということでしょうか。今までの経験が通じない新しい事態となりました。
ということで、畑に出て、野菜作りをすることにしました。例年5月の連休の頃に夏野菜の苗(接木苗)を購入して、あらかじめ種を蒔いて自分で育てた苗と併せて植え付けを行っている。今年とりあえず計画している野菜は、サトイモ、越津ネギ、ヤグラネギ、スイカ、マクワウリ、キュウリ、ナス、スイートコーン、オクラ、ミニトマトです。ピーマンとかシシトウは人気がないので中止です。
その中で、今日はネギを中心に話をします。ぼくは1年を通して納豆を食べているので、その薬味としてネギを使用するので、いつでも手にいれられるように越津ネギ(冬ネギ)とヤグラネギ(夏ネギ)を栽培しています。今までには九条太ネギとか下仁田ネギ、赤ネギなども栽培の経験はあります。
ネギは大きく分類すると白ネギ(根深ネギ)と青ネギ(葉ネギ)があり、白ネギには加賀群と千住群があり、青ネギは九条群と言われています。ぼくの作っている越津ネギは愛知県特産の葉ネギ感覚で使用されるネギですが、千住群と九条群の交雑種とされています。ヤグラネギはヤグラ群に分類されるネギの1変種と言われているものです。夏の葉ネギとしてどちらかというと細々と栽培されているものです。ネギの大まかな分類表は次のようです。
用途分類 | 大分類 | 特 徴 | 中分類 |
白ネギ (根深ネギ) |
加賀群 | 夏ネギ型品種、分げつは少ない根深ネギ。冬に地上部が枯れて休眠し、耐寒性は強い。 北海道、東北、北陸で多く栽培される。 |
加賀系 下仁田系 |
千住群 | 根深ネギの主要な品種はこの群に属し、関東地方の代表的品種である。 耐寒性は中程度。葉身色の濃淡によって中分類が行われている。 |
黒柄、合柄 赤柄、合黒 |
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青ネギ (葉ネギ) |
九条群 | 耐寒性は低いが、低温伸張性は高く、関西より西で広く栽培されている冬ネギである。 分げつは多く、葉は細身で柔らかく葉ネギに適している。 越津系は千住群と九条群の交雑種といわれ、愛知で多く栽培。 |
九条太系 九条細系 越津系 |
ヤグラ群 | ネギの変種で、抽苔時に花茎に2段のやぐら状子球を生じる。 | ヤグラ系 |
ちょっと珍しいヤグラネギというのは、ぼくが10年前に農業の研修に言っていたころ、実習畑の隣のお百姓さんが夏ネギと言って作っていたのを、珍しかったので色々と質問したら、苗を分けてくれたものです。それをぼくが毎年育てているのです。
ヤグラネギの特徴ですが、塔立ちする前は普通のネギと見た目は変わりません。少し小ぶりかなという印象位です。しかし5月の塔立ちの頃になると、普通のネギが塔の先端にネギ坊主を作り、そこから種子が取れるのと異なり、ヤグラネギは塔の先端に珠芽を生じいきなり小ネギが伸びてくる。これがやぐら状に2段、3段となる。(写真参照)

簡単に言うと、種子の出来る代わりに、塔立ちした先に小ネギができるのである。この子ネギを土に植え込めばネギができるのである。普通のネギは種子が出来て、いつ種を蒔くかそのタイミングは人間が決めるが、ヤグラネギは塔立ちの段階で勝手に発芽して子ネギとなり、増やそうと思えばそれを人間が植えるしか手はないのである。発芽のタイミングはネギ自身が決めているのである。なかなかめんどうなネギであるが、夏の葉ネギとして貴重であり、そうめんの薬味として重宝するのである。
ヤグラネギ以外に、この地方ではほとんど作られない下仁田ネギを作ったことがあるが、できたネギをアルミホイルで包んで焼ネギにして食べてみたが、下仁田地方で作られた下仁田ネギほど甘くておいしいネギにならなかった。そのことについてタキイ種苗を見学した時に、技術の人に質問してみたら、下仁田と気候や風土が同じでない部分を何か考慮したかと聞かれた。なにも考慮せずに同じ品質のものが作れるはずがないではないかと指摘されてしまった。
ネギも栽培してみると、なかなか奥が深くて面白い。下仁田ネギの話もそうである。さらにネギそのものが葉の形からして、他の野菜と異なっており、そのことに起因して、考慮しないと色々と面倒を起こす。ぼくもネギを作り続けてきたので、多少のノウハウも持っているので、いつかそれを整理したいと思っている。
どこかのネギの専門家が、ネギを食するのは、原産国である中国と朝鮮半島の人と日本人だけがほとんどである。それ以外ではそういう習慣はないと言っていた。世界で見ればマイナーな野菜である。

