by Y下 
第8回 オーディオの浦島太郎

私のオーディオ人生も8回目を向かえました、今回はオーディオの浦島太郎をご紹介させて頂きますがオーディオに関して無知な奴と思われますが恥を忍んで書きました、怒らずにそしてバカにせずに読んでください。
オーディオの浦島太郎
オーディオの浦島太郎

私が再度オーディオを再開したのは第1回目でご紹介したように百円ショップで買ったたった一枚のCDです。これが私の人生が大きく狂わせたと言っても言い過ぎではない、たった一枚のCDそれはバッハのチェンバロ曲です、カーステレオで聞いた瞬間、もう一度オーディオをやろうと決意したのが2003年の春です。その時は何の趣味も持たず年ばかりが増えるだけで楽しみと言えば(お寺参りと近場の温泉)形のある趣味を持ちたいけど先立つお金がない、
 気持ちはやりたいのだが、違う趣味を持つのは意欲が湧かなく乗り気しない、過去に培った趣味と言えばオーディオかゴルフしかない、オーディオをやるなら現在のオーディオ環境がどのように変化しているのか皆目見当もつかないから不安が先に来る、
オーディオをゼロからの出発では多大な出費がかさむ、皆さんのようにシステムをお持ちでアンプを変えたり、スピーカーを交換してグレードアップしながら楽しむのとは訳が違う、オーディオ機器は何一つ持ち合わせていない、あるのはラジカセが1台のみである。こんな状況の中でオーディオ再開とは暗中模索で一体どの位費用をかければ一端のマニアと言えるのか、オーディオマニアと会話をしても恥をかくのが関の山、1970年代は苦労に苦労を重ねて楽しんだのだが今は時代が違う・・・・ 
 オーディオを再開しても又苦労の連続ではないだろうか、お金をオーディオに投資しても上手く鳴らなければ、失敗でもしたら粗大ゴミになるのが関の山かも?
オーディオショップ
オーディオショップ

(恥は掻き捨て世は情け)この気持ちで大恥をかいても良いと思い一軒のオーディオショップを冷やかし半分の気持ちで恐る恐る玄関のドアーを開けて店の中に入った、店のフロアーには沢山のスピーカー郡が所狭しに並べられアンプも棚に整然と陳列してある。
 よく見ると見たことも聞いたこともないメーカーが沢山あるではないか、過去の人気商品などは一台も見当たらない、今のオーディオマニアはこのような機器で音楽を楽しんでいるのか、アンプ類はすべてが半導体ばかりで真空管アンプなど一台もない、心の中で「時代は変わったな」と一人呟いた、

 色んな製品を見ていると中年の店主らしき方が私に「何をお探しでしょうか」と声をかけてきた
私は言葉を詰まらせながら「今、オーディオはCDがメインなのですか?」
店員は「8割方CDです。お客さんはどの様な音楽を聴かれます?」私は「特に限定はしていないがバロックが好きです。」店員は「一度音を聴いてみますか?」と言うが早いかテキパキとケーブルの接続をし始めた、「スピーカーは何がご希望でしょうか」私は奥に置いてある中型のフロアータイプでSPボックスの上に(ゲゲゲの鬼太郎の目玉おやじ)が乗っているような変わったスピーカーを指で指し「このスピーカーで聴かせてください。」と指示した、そのスピーカーはどこのメーカーなのかわからないにも関わらず音出しを待った、国産?外国製?見たことも無いタイプだがユニークな外観だ、
 店員はCDトランスポートを何処のメーカーにしますか?私はCDトランスポート?何それ?と心の中で呟いた、バカな質問をせずに店員に任せて音出しを待った、曲名はバッハのバイオリンソナタだ、
 出てきた音は確かに流麗で柔らかい響きを伴った個性があまり表に出ない音である、私は独り言で「これが現代のサウンドなのか」正直に言って良い音なのか悪い音なのかさっぱりわからんのが本音である、
店員に私は「今、接続してある機器はどの様なラインアップですか?」と質問すると店員はすかさず「CDトランスポートはOO製の製品で価格は約百万、D/AコンバーターはOOO製で価格は50万、プリアンプとメインアンプはジェフローランドの最新モデルでアンプだけで約300万です。スピーカーは有名なB&Wでトータルが600万ぐらいですねぇ」とすまし顔、追い討ちをかけるように「これぐらいオーディオに投資しないと良い音は聴けませんよ」こんなセリフを簡単に言われると・・・
現代のオーディオマニアはこんな高価なシステムで音楽を聴いているのかと思うと内心腹が立つのを通り越してバカバカしさが先に来た、こんな高い趣味は他にはない!オーディオマニアと名が付く連中は異常とも思える、私は腹ただしさを感じながら店を出た、
 夢を抱いてもう一度オーディオを再開したいと思ったが出鼻を挫かれたような気がしてくる、
外から見たオーディオの世界
外から見たオーディオの世界

ハイエンドとかピュアーオーディオとか言う事を耳にするが簡単に買えないようではオーディオ産業も先が見えてくる、オーディオフェアーを見学すると各社ブースには新製品を並べてあたかも当社の製品がベストワンと言わないばかりに誇張して宣伝しているが、本当に自社で生産したアンプなど無く設計開発だけは国内?で行なわれ生産は人件費の安い中国、ベトナムで作っているのであればもっとコストダウンが図られ価格破壊的な安い製品が流通してもよさそうなのに現状は価格がどんどんエスカレートしていく、今の半導体を採用したアンプ技術は(どんぐり)の背比べで特別な回路を開発して商品化しても音は極端に変わらない、オーディオは趣味の世界と言えども価格が無限大で上昇するようではもうお金がいくらあっても趣味とは言えなくなる。
オーディオ雑誌等にマニアのシステムがカラー写真で載っているが途轍もない高価な機器を使用している方がお見えだが持っている人はただ自慢をしたいだけでの自己満足ではないのか、完成品を個々に組み合わせてオーディオをするのなら金を持っている奴が勝ちのような気がしてくる。
オーディオを再開する前、雑誌等の広告を見ると個々のパーツが途方も無く高い、現代のアナログプレーヤーのカートリッジが20万~30万と聞くと(あんなキャラメルみたいな小さな物が)と言いたい、そんなお金があれば立派な液晶の亀山モデルが買えてみんなで楽しめるのに・・・・
オーディオにのめり込んでしまうと金銭感覚が麻痺して当たり前になってしまうのだろうか?恐ろしい世界だ、
 CDトランスポート?私にとって初めて聞く名前だ、トランスポートと言えば運送業のイメージになる、CDラジカセならよく聞くがCDトランスポートこれは何だろう?横文字で言うから高級感があるけど簡単に言えばデジタル信号読み取り機だ、一般的に考えればCDプレーヤーと何処が違うのだろう、しかもこんなのが何十万もするとは私には理解がしがたい、
今は、DVDプレーヤーだって10万円も出せば立派な物が買えるのに、たかがデスクを回してデジタル信号を出力するだけなのにどうしてこんなに高価になるのだろう、オーディオマニアは高いは良いと勘違いしているのでは・・・
DVDプレーヤーは音声信号と画像信号をデジタル信号にしてテレビに映し出しているのに音声信号しか用途がないのに価格がべらぼうに高い、それでもオーディオマニアは買う、オーディオに興味がない人から見れば不思議な世界だ、
オレ流のオーディオ
オレ流のオーディオ

プロ野球のチームに中日ドラゴンズというチームがあるがここの監督は有名な落合氏で彼の野球哲学はオレ流と聞く、趣味の世界もオレ流が誰にも文句を言われずに楽しめるのではないか、特にオーディオはオレ流の世界だと思う、
トータルで何百万も投資してするオーディオもあれば、お金をかけずに良い音を求めるオーディオもある、少ないお金で良い音を出す、これこそオーディオの勝ち組であり醍醐味でもあると思うのですが、(今までマニアの高額なオーディオシステムを聴かさせて頂いたが良い音で鳴っているのは一つも無い)
少ない予算で考えるオーディオ
少ない予算で考えるオーディオ

オーディオショップのあの店主の態度は(貧乏人はオーディオをするな)と嫌味に感じ取れる、現実にお金が無い以上は文句が言えないが、それでも(オーディオ)を再開したいのだが、すべてに一度に購入して楽しむにはまとまった資本金が必要だから1年計画で進めるしかない、1年間でトータルOO万円までが私にとっては限度額だ、マニアに言わせると「たかがトータルOO万ぐらいでオーディオは楽しめる道理はない」と思われるが私にとっては(無い袖は振れぬ)が現実だ、
オーディオに限らず目先だけで物事を判断すると必ず失敗する。ここはじっくりとお金と相談しながら本腰を入れて取り組まないと・・・・
過去に自分の音が思うように鳴らないためどんどんエスカレートしていくマニアを沢山見てきましたが、そのようなマニアに共通しているのは音に対して自分のポリシーがない人が多い、(勿論私もその一人だが)
過去に苦労したオーディオを踏み台にして遠回りせずに最短で良い音を出すには音作りのノウハウも必要だが、他のマニアの音も聴かせて頂きその人の苦労話やオーディオ哲学に素直に耳を傾けないと(井の中の蛙)で終わってしまう、
オーディオこそ出てきた音こそすべてである。音に問題があれば必ずそれには原因があるはずだ、最初から素晴らしい音が出て自己満足しているようでは進歩はない、オーディオに限らず自分以上のレベルの高い人は世の中沢山います、その様な方からアドバイスを頂き自分のレベルアップを図る、オーディオに対して謙虚になればなるほど音も比例して良くなるのではないだろうか、
少ない費用でオーディオを楽しむには自作と創意工夫を持ってやる、これが私の(オレ流のオーディオ)かな?

次回第2部は現在使用中のシステムの導入のきっかけと使用機器などを恥を忍んで丸裸にして公開する予定です。
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