by Y下 
第40回 アナログプレーヤー

 長らくお待たせしました、久しぶりにアナログプレーヤーを題材にします。
 以前に友人から頂いた壊れたプレーヤーを自力でオーバーホールしました、このプレーヤーはアナログマニアの方でも見たことも聞いたことのない大変珍しいプレーヤーです。
 今回はこのプレーヤーをメインにコラムを書かせていただきますからアナログマニアは必見ですよ、

ターンテーブルを外した内部構造、ターンテーブルのスピンドルは約10mm径を使っている。本体の材質はアルミダイキャスト製で塗装はターコイズハンマートン塗装で60年前にもかかわらず塗装は大変綺麗

大変珍しいダブルアイドラーを使っている。左側のアイドラーは33PRMと45PRMのアイドラーで大変厚いゴムを使っている。状態はゴムの痛みもなく上手く直せば十分実用に耐える。
右側のアイドラーは78回転用になります。
左上のスイッチは60HZ,50HZの切り換えスイッチ

ガラードの401の内部ですが局用のプロタイプと比較しますとガラードは簡単な構造です。

こんなチン○ン見たこと有るかい?
こんなチン○ン見たこと有るかい?

 このプレーヤーを検索していましたらこんな謳い文句の表題がありました、確かに超が付く珍しいプレーヤーでもう現存していないと思われますが作りがしっかりしていますから上手にレストアすれば現役復帰できるのではないか、
「こんなチン○ン見たこと有るかい?」あるよ!「俺も持ってるよ」とこのブログを書いた人に言いたいが果たして修理可能か、不安が横切るがダメもとで直してみるしかない、
電源を入れるとモーターが回転しているがレバーを切り換えてもターンテーブルが回らないが心臓部のモーターさえ回れば修理可能と思われるが全体に汚く修理する気が起こらないが超珍品のプレーヤーだから直せば一人優越感に浸れるし自慢も出来る、

業者もお手上げ
業者もお手上げ

 このプレーヤーをプレーヤー専門の修理工房に問い合わせした所、素っ気な返事で直りませんの一言、ガラードなどは修理パーツがありますから直りますがこのプレーヤーはパーツがありませんから修理不能と気乗りしない返事の一言が返ってきた、
 プレーヤーの修理工房なら直せるはずなのにガラード、トーレンスならパーツがあるから直せるとは、・・・・・・
 交換パーツがあれば猿でも直せるのに技術がないか情けない、所詮修理工房とはこの程度のレベルしかないのは残念である。
1960年代初期のプロ用プレーヤー
1960年代初期のプロ用プレーヤー

 今回ご紹介するのは1960年代に放送局、ホール、劇場などで使われたプロ仕様のフォノモーターです。
 プロ仕様のフォノモーターと云えばDENONの局用プレーヤーでRP-52もありますが今回ご紹介するフォノモーターは日本全国の放送局やホールで大活躍したものと思われ正式な型番もわからなくただ日本のメーカーのTTOで製作したプレーヤーと云うのがわかりますが多分一般市販していなかったのではないだろうか、 TTO製アイドラープレーヤー
TTO製アイドラープレーヤー

 TTOの名は東京テレビ音響でティアックの前身になる、このフォノモーターのレバー部にYAMAHAと印字してあるだけで昔こんなモーターがあるとは思えなかったYAMAHMと云えばGT-シリーズが有名で特にGT-2000はダイレクトドライブ型で一世を風靡したプレーヤーだが、今回ご紹介するYAMAHAのプレーヤーはアイドラータイプでしかも回転数の切り換えは二つあるアイドラーを切り換えて動作している。
 アイドラーもダブルで切り換えて使うように設計されている大変珍しいフォノモーターである。
 電源スイッチをONしますとモーターのみ回転しています。使用モーターはコンデンサー進相シンクロナスモーターで駆動していますが当時はシンクロナスモーターを使ったプレーヤーは無くほとんどがインダクションモーターばかりで有名なガラード301、401はインダクションモーターが使われている。 インダクションモーターの欠点は電圧の変動があると回転数が変わる欠点ですがシンクロナスモーターは電圧の変動があっても回転数の変化はなくインダクションモーターに比べて大変静かに回ります。またモーターのトルクも違います。
事実ターンテーブルが回っている時に指でターンテーブルを抑えても停止しません。いかにトルクの強いモーターでさすがプロ用は違う、また切り換えレバーを33RPMに入れますと瞬時に立ち上がり指でターンテーブルを抑えても回転は止まりません。ここがプロ用と民生用の違いかも、

このフォノモーターを使うためにプレーヤーケースを自作しました、24ミリ積層合板を使い最後は黒檀の突板を貼りました、次回に完成したプレーヤーを載せる予定です。
ガラードがおもちゃに見える?
ガラードがおもちゃに見える?

先日、ガラードの301、401をお持ちのアナログマニアが来られこのフォノモーターを見せたところびっくりされた、「こんなチン○ン見たことがない」日本製のモノつくりは当時も世界トップクラス、このプレーヤーを細かく見ると私の持っているガラードの301、401はおもちゃに見える、
ガラードのモーターは4極インダクションモーターだから昔の扇風機や熱帯魚の水槽のろ過モーター等に使われるお粗末なモーター、ましてや電圧変動で回転数が変わるから始末が悪い、
家庭用のAC100Vは朝と夜では若干電圧が変動します。例えば家庭内での洗濯機、冷蔵庫、エアコンのモーターが動作しますと一瞬電圧が変動する為回転数が変わってしまう、
また昔のリムドライブのフォノモーターは古いとパーツがほとんど無いので修理は不可能に近いがその点ガラードはパーツが豊富であるから修理、メンテが効くからガラードは高くても仕方がない、
ガラードも決して悪いフォノモーターではないがこれがシンクロナスモーターを使っていたなら私も無理して購入したかも、残念ながら今はアイドラータイプのフォノモーターは他にはないからガラードを選ぶしかない、
CEC FR-250フォノモーター
CEC FR-250フォノモーター

フォノモーターと云えば1960年代日本で有名だったメーカーはKS、CEC、NEATがあったが廉価タイプはKS,CECがあったのを覚えている。
最初に買ったのはCECのFR-250で当時の価格は9,800円と記憶している。CEC(中央電機)FR-250は価格の割にはシンクロナスモーターを使っているのが特徴でこの後日本のフォノモーターはインダクションモーターからシンクロナスモーターに変わっていったが残念ながら保守パーツが無いので壊れるとゴミになってしまう、
このCECのFR-250を安っぽいプレーヤーケースを作って楽しんだ記憶がある。
最近ヤフオクでもこのフォノモーターの出品を見かけるがアイドラータイプはやはり価格が高くなるが本当に正常に動作するのか落札しても保守パーツが無いので修理不可能になり最後はゴミになるような気がする。
拙宅に来られたマニアが今使っているガラードを売ってYAMAHAのプロ用フォノモーターに変えたいと話していたが多分オークションでもまず出品されないと思う、それだけ貴重なプレーヤーと云えるが自分でメンテできれば落札して使えばよい、

今回製作したアンプです。次々回には製作記事をコラムに載せます。

20代の前半に使っていたエレクトロボイスのSP-12フルレンジスピーカー
このスピーカーには泣かされた記憶がありますが今回は昔を偲びながら再挑戦
果たしてどんな音が出てくるのか次回のコラムでご紹介します。
ページトップへ