ノイズシールド for SV-91B / SV-128B / SV-86B
若干の構造変更を行い、ご要望の高かったSV-86B(300Bpp)にも対応可能となりました。
高周波誘導ノイズ回避用のシールド(ボンネット)です。
参考ブログ①
参考ブログ②
最近オーディオ業界で話題となっている”仮想アース”。各社それぞれの知見と経験でさまざまな製品がリリースされています。純技術的にみて仮想アースという言葉自体が定義されていない現状ですが、高周波ノイズを低減(吸収)して聴感上のSNを向上させ再生音を適正化させるという効果では一致しているようです。
この30年ほどで商用100V電源は非常に汚染されたと言われています。いわゆるスイッチング機器の台頭により私たちの周囲はノイズだらけといってもいい状況ですから仮想アース導入効果を感じていらっしゃるユーザーさんも多数いらっしゃることと思います。今日は別の視点から最近特に問題となっているノイズ源...LED照明について測定値を交えてレポートしてみたいと思います。
納品を間近に控えたSV-91Bオールウエスタン仕様で実験します。出荷前の重要チェック項目の一つである残留ノイズに注目してみましょう。上の写真(通常の状態)で入力ショート, 8Ω負荷で残留ノイズを測定すると0.7mV/0.6mVでした。基準レベル0.8mV~1.0mVをクリアしていますし、聴感上も問題ありませんので合格です。
つづいて意地悪テストをやってみます。上の写真をご覧ください。デスクタイプのLED照明を電圧増幅段のうえ約25㎝程度に近接設置してみます。LED照明以外は一切何も変えずに、LEDオンで残留ノイズはどう変化したでしょうか。
少し衝撃的な値ですがLEDオンの瞬間に30mV/70mV、つまりは50~100倍にノイズレベルが増えていることが測定上確認されました。更に厄介なのは、このノイズは可聴帯域外成分が大半なので耳にはほとんど聴こえないという点です。音楽を再生すると高域方向に変な粉っぽさというかザラザラした質感が出ますが意識しないで聴いていれば何も感じないでしょう。これがスイッチング機器による高周波ノイズの怖さです。
今回、実験のために用意したのが上のボンネットです。ポイントは二つ。初段, ドライブ段の310Aをすっぽり覆ってしまえること。そしてボンネットをシャーシーアース(スピーカーターミナルのマイナス側)に落とすことです。つまり仮想的に310A四本がシールドされた状態ということになります。
この試作ボンネットを被せ、アース線をスピーカースピーカーターミナルのマイナス側にしっかり締めこんで再びノイズ測定してみましょう。変化はあるでしょうか。
結果は0.2mV/0.2mVです。つまりボンネットなし状態と比較して高周波ノイズが1/100まで以下まで抑えられたという驚くべき結果が実測されました。初期状態と比較しても1/3になっているのは元々当社環境がLED照明化されていることで光源から3m程度離れていてもそれなりの影響があることを示していると言えます。
(ご注意)
本ノイズシールドは高周波トップグリッド五極管(310A, EF37A 等)に対する外来の誘導ノイズを吸収しグランドに落とすためのアタッチメントです。
設置方法は310A, EF37Aの上部に被せるタイプでネジ, プラグ等で固定する方式ではありませんので脱着は容易です。シールド付属のリード線をスピーカーターミナルのマイナス(コールド)側に共締めすることで誘導ノイズ(高周波ノイズ)低減効果を発揮します。
本アタッチメントの導入効果を事前に知ることが出来ます。動作中のSV-91B, SV-128Bの310A (EF37A)の至近距離に手をかざしてみてスピーカーからキーン或いはジーといった高周波(誘導)ノイズが発生する状況であれば導入効果は明示的といえます。
なおSV-310(プリアンプ)では310Aは三極管接続されており誘導ノイズの影響はほぼありませんので導入の必要はありません(サイズ的にもマッチしません)のでご注意ください。
重量 : 670g
素材 : 側板 1.6t SPHC(熱間圧延鋼板) , 3φSS400 シャフト , 0.3SQ 銅撚線(300㎜) , 磁性体パッド(背面2, 底面4)
その他 : 日本製(ハンドメイド)