キット屋コラム
ケーブルについて

 皆さん、こんにちは。今日はオーディオで使用するケーブルの使い方について考えてみたいと思います。入力機器からの信号をスピーカーまで出来るだけ損失を少なく効率的に伝送するため不可欠ですが、価格帯も幅広く非常に多岐の選択肢があります。では望ましいケーブルとはどのようなものでしょうか。

まず信号系ケーブルを大きく分類すると二種類(”ラインケーブル”と”スピーカーケーブル”)に分かれます。ラインケーブルはCDプレーヤーとアンプの間などを接続するもので、スピーカーケーブルはアンプとスピーカーの間を接続するものですが、電気的にはスピーカーケーブルの方が音の変化の度合いが大きいと言えます。

これは電気的にラインケーブルが”電圧”を伝送し、スピーカーケーブルが“電力”を伝送する違いによるものです。つまりラインケーブルには電流が殆ど流れず、スピーカーケーブルには大きな電流が流れることから、ラインケーブル以上にスピーカーケーブルはエネルギー損失が大きいと言えます。従ってオーディオ的にはなるべくスピーカーケーブルを短くすることが望ましいといえます。

例えばコンサートホールでミキサー卓はステージから相当離れた所から音のバランスを調整しています。これはオーディオ機器で言えばプリアンプに相当する訳ですが、対してパワーアンプはステージ上のスピーカーの近くに置かれることが殆どです。これもスピーカーケーブルによって生じる損失をなるべく減らしたいという理由からです。効率よく(損失少なく)エネルギー伝送するためには短いケーブルで接続するのが基本です。


 なお電源ケーブルについてはスピーカーケーブル同様、電力を伝送していますので電気的には短く且つ導体の断面積が大きい(=太い)ほど、損失が少なく有利といえますが、安易な改造は事故等を招く可能性もありますので、お奨めしません。

 最近は様々な素材(電線,構造)のケーブルが販売されており、単にエネルギーロスの観点だけでは語れない要素も出てきています。また種類の異なるケーブルを組み合わせて音作りをする方もいらっしゃいます。電気的基本と機器の配置による使い勝手のバランスをとりながら、お楽しみ頂きたいと思います。

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