キット屋コラム
ハンダの種類について

 皆さん、こんにちは。皆さんが真空管アンプキットを作る時、ハンダについてはどんなものをお使いでしょうか。ホームセンターなどでいざハンダを買おうと思っても予想以上に様々なバリエーションがあって迷ってしまった、という方もいらっしゃるかもしれません。

大きく分類してよく使うのは1.錫50%2.錫60%3.錫63%(共晶ハンダ)4.銀入りハンダの4種類程度と言って差支えないと思います。それぞれ適した用途がありますが、私たちがキット製作を行ううえで気を使うところは、1~4それぞれの「融点」です。

融点の高い順に書きますと4 > 1 > 2 > 3となり、融点が高いハンダほど容量の大きなコテが必要となりますので、特に初心者の方は高融点タイプは避けた方が良いと思います。

ただ低融点でも共晶ハンダ(3)は融け易い代わりにハンダの粘度が下がり表面張力によって球形となりやすく被ハンダ部分への定着に少々コツが必要という側面もありますので、これからキット製作に親しんでいこうと思われる方は2(錫60%)を選ばれるといいと思います。これは商品としては「プリント基板用」などと書かれていることも多いので、最もポピュラーなハンダと言えるでしょう。

一方最近は4(銀入りハンダ)も人気です。環境に良いPb(鉛)フリーである点、音質的にも優れていると言われている銀が配合されている点などもその要因ですが、融点が220℃程度と高く、注意点としては

  • ターミナルなど放熱性の高い金属にハンダ付けする場合はコテ先の温度を300度程度以上に保つ必要があり、必然的に被ハンダ部分の温度も高くなるので、パーツ損傷やケーブル皮膜の溶着などが見られる場合がある。
  • 錫60%以上のハンダ付けの「呼吸」で銀ハンダを使うと、加熱不足から 「イモハンダ」になるケースがあり、導通不良を招くケースが散見される。
  • プリント基板のランド部分が熱の掛け過ぎで剥離を起こし、基板そのものの交換などが必要となるケースがある。

などもありますので少々慣れと経験が必要です。

ご自身のキットに何が最も相応しいかを吟味され、快適なモノづくりを楽しんで頂ければ幸いです。

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